* Aeternam habeas requiem


無我夢中で必死に喰らいついてきた
皆と同じ赤を身に纏い、同じ場所に立つ為に
イザークに見合う女性に…と思い悩み自信を失った事もあったけれど
それが私の自信に繋がると思ったから


私らしくある為に

イザークに選ばれた女であることを誇れる自分でいる為に


その為に血の滲む努力を重ねた
そんな私をアスラン・ザラは優しく見守り応援してくれた
彼の的確でわかりやすい手解きのおかげで、赤を身に纏いクルーゼ隊としてガモフに立っている
それなのに………

なんだろう?心にぽっかりあいた穴は…

ガモフから覗く宙は昼とも夜ともつかない世界が果てしなくどこまでも続き、MSを飛ばせばすぐのヴェサリウスが今はひどく遠く感じる

「アスラン、何してるのかな…」

アスランからもらった香りの中には思いを馳せた
貰った時は気が付かなかったけれど、深いブルーのグラデーションの香水瓶はまるでアスランの髪の様で、そしてこの香りは…アスランの香りと似ている
フレッシュな香りの後に残る濃厚なウッディの香りは暖かく、アスランに感じる安らぎのようだ
だけど、アスランのそれとは違い、女の子用らしくバニラの甘い香りがあった

アスランの搭乗するヴェサリウスを眺めながら、の口元には自然と笑みが漏れていた

「あれ?、香水変えました?」
「この香りは確かアス…」

犬のようにクンクンと鼻を近づけるディアッカに手にしていた香水瓶を押し付け、その先の言葉を遮った

「これよ、コ・レ!」
「あぁーーー!イザークが買ったやつと違うじゃんかよ!」
「いいの♪たまには気分転換よ」
「お前なぁ…とばっちり食う俺の身になれよなぁ…まったく」

褐色の肌に燦然と輝く金色の髪をかきあげ、天を仰ぐディアッカには天使のような柔らかい笑顔を投げた
アカデミーの時のネガティブだったは、すっかり自信に満ち溢れ眩しい程に輝いている。それはザフトレッドに袖を通せたと言う事だけではなく、イザークが与えたモノなのかもしれないとニコルはディアッカと戯れるの笑顔にふと感じた

「おい、アスランはどこだ!」

イザークは肩を怒らせ、冷たく冴えた月のような瞳で天敵アスラン・ザラの姿を探していた

「アスランはヴェサリウスですよ?イザーク」
「大丈夫?何か急ぎに用でもあったの?」
「アスランが恋しくなっちゃったとか?」

「そうじゃない!(アスランの匂いが確かにしたんだが…)」

シルクの様にサラサラとしたプラチナ色の髪、そこから覗く水晶のように穢れのない瞳、華奢な顎に添えられた陶器にように白くしなやかな指
それらを引き立たせるようなザフトレッドの軍服

非の打ち所がない程綺麗
この完璧な男は自分を…

はため息が零れるのと共に、自分の頬が熱くなるのを感じた

、それはなんだ?」
「っえ?!あ、これは…その……あの……」
「あ、もしかして、イザークは香水のせいでアスランがいると…」

イザークの瞳が更に鋭く光る
後ろへずりさがるの背をディアッカが押し戻す

、俺がやったのはどうした?」
「いや、その…ごめんなさい!イザーク!!」

両の手を合わせ、頭を下げるの身体から立ち上るアイツの匂い
気に入らない
お前は俺のモノだというのに

「ふざけるな…俺の女なら俺の女らしくしていろ。アイツと同じ香りをつけるな」

はイザークの激しい感情を突きつけられ、一瞬身じろいだがすぐにそれは喜びに変った
あの自信過剰なイザークが自分の為に余裕のない表情をしている事に

「その為にも、私は私らしくいる為にも、自分で選んだモノを身につける事にしたの。イザークがくれた香水も、アスランと同じこれも全部私の香りよ。ダメ…かな?」

小さな頭を傾けながら真剣な面持ちで凛と語るの声は、ガラスの鈴のように美しくイザークの心の奥深くまで響き渡った

「ふん!そういう事ならアイツに止めさせるまでだ…」

以前とは違い自信を持つの姿が誇らしかった

「ったく、イザークは独占欲強くて苦労するなぁ〜、
「本当、そうですね」
「うるさい!黙れ!!」
「そんなイザークに愛されてる私は幸せ。ね、イザーク」
「・・・知らん!」
「俺もイザークと居るのが幸せ〜」
「僕もですよ、イザーク」
「貴様ら!いい加減にしろぉぉぉ!!!」

アスランと同じ香りだと思ったがどこか甘い香り放つ小さな
スパイシーで野性的な香りを立てる何故か昔から気の合う、ディアッカ
その笑顔に似合う透明感あふれる嫌味のない石鹸の香りをさせるニコル
3人に抱きつかれたイザークの鼻をそれぞれの香りがつく

血と硝煙と油の匂いしかしないこの場所で





Aeternam habeas requiem

− いつか彼らと共に永遠の安息を得られますように −








//おまけ//

「アデス、近頃ガモフが妙に匂うと思わんか?」
「そうですね、彼らが来てから色々な匂いが混じって…それにヴェサリウスも…」
「ふむ、困ったものだな…それでは私の愛用に統一させるとしよう」
「クルーゼ隊長それなら私の…」
「私に異議を唱えるのかね?」

その後、本部からザフト全軍へクルーゼの香りが配給されたとかされないとか…
さて、その香りとは?





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この作品はMary様キリ番リクエストにお応えしたものです

前作//MADONNA LILY//の続編的な作品であり、リクエストというよりも共同作品とも言えるでしょう
作中で語られているイメージ香水をちょっとだけ紹介しておきます
・アスラン愛用…アルマーニ
・アスラン→ヒロイン…アルマーニ コード
・イザーク→ヒロイン(前作)…マリナ・ド・ブルボン
・ニコル…プチサンボン

クルーゼ愛用=ザフト統一香水は貴女の想像におまかせします♪

それにしても、アスランの匂いを嗅ぎ付けるイザークの嗅覚って…
//おまけ//は悪ふざけして、すいません
いつもの余計な悪戯心が抑えきれなくて、つい…


いつもご愛読して頂有難うございます!
この場をお借りして御礼申し上げます


2009.5.15 //UNKNOWN SEED//Master:神威