* 03[並在領域] |
『この作戦により、戦争が早期終結に向かわんことを切に願う。真の自由と、正義が示されんことを。 オペレーション・スピットブレイク!開始せよ!』 パトリック・ザラの幕開けを告げる言葉を受けて、ザフト軍本部オペレーターたちはオペレーション・スピットブレイク発動をその真の目標と共に告げていく 『スピットブレイク発動!目標アラスカ、JOSH-A!』 発動を受けたザフト軍はパナマだと思い込んでこれまで準備を進めてきただけに、足元をすくわれた様に驚きの色で染まる中、は秘密裏に用意した回線で亡霊のような男と話をしていた 「バルトフェルド隊長は驚かれないんですね…」 『まぁね…どんな作戦でも驚きはしないさ』 かつて"砂漠の虎"と呼ばれたその男は今、静かにプラントの地下で時が来るのを静かに待っていた 「この作戦が失敗すると私は予測しているですけど、これなら驚きますか?」 コーヒーの香りを堪能する瞳が見開いた。片目は負傷の為失っていたが… 『根拠もなしにそんなこと言っちゃ、駄目でしょ』 「根拠ならありますよ、彼はアラスカの地で接触した相手はブルーコスモス。考えたくはないですが、彼はアズラエルとこの戦いの戦火を悪戯に広げようとしているのではないかと」 バルトフェルドは訝しげに通信回線の向こうで厳しい表情と言葉を吐くに肩を竦めて、唯一の楽しみであるコーヒーを口に含んだ。上品な香り、珠のような口当たりと、甘味・苦味・酸味を確かめ、今日の出来栄えに満足したような笑みを浮かべる 『やっぱり、どちらかが滅びなくてはならんのかねぇ』 「グングニールの件、急いでいただけませんでしょうか?スピットブレイクが失敗すれば時をおかずにパナマを討つのは必定です」 『あぁ、柄じゃないんだが進言しておくよ…』 風をはらみ、白衣は大きくふくらんでいる。時々柔らく宙に舞う その哀しみと苦しみを抱くように 『そういえば、戻ってくる気になったか?どうも、ダコスタだけじゃ色気がなくていけない』 「そんな言い方したらダコスタが可哀相ですよ」 バルトフェルドは、強い光を持つ彼女ならば、クルーゼの闇に触れても飲み込まれまいと信じてはいた。それでも、もしや…という思いはクルーゼの元へ彼女を送ったときから持っていた。 『しかし、君の好みがあんな目を見せない男とはね…、てっきり君は僕に夢中かと思ってたんだが自信過剰過ぎたらしいな。いつからそういう関係になっちゃったの?』 頭を残された片腕でかきながら不敵な笑みを見せる。どこまでが冗談でどこからが本心なのか、つかみどころのないバルトフェルドをクルーゼ同様に不快に思う人間は多い 「いつからでしょうね・・・」 の憂いともつかない表情を浮かべ、近づく足音を聞き回線を閉じた 「こんなところで何をしている!」 「何って準備に決まってるでしょ?戦闘が始まれば負傷者が出るからね」 白衣のポケットに何かを隠すように手を突っ込み背を向ける姿にイザークは不信感を抱いたが、今はそれどころではなかった 「まぁいい、それより隊長が・・・」 「ラウがどうかしたの?」 汗が白い仮面の下を流れ、金色の髪が頬にはりつく 「うっ……」 クルーゼは肩で大きく息をし始め、顔を歪めたかと思えば、今度は全身を貫く痛みの為に頬が細かく痙攣している 薬を飲むことさえ間々ならず、容器から零れ落ちた白と青のカプセルがあたりに散乱する。 鼓動が早く脈打ち霞む視界に『出来損ないが!』愚かなエゴで自分を創った男の姿が見える しまったはずの忌まわしい過去が痛みの中で暴れだす 助けを求めるように伸ばした手をは受け止めた 不意の出来事にクルーゼは顔をあげ、その温もりを確かめるようにの手を強く握り返す 「大丈夫よ、ラウ」 優しく囁くその声、顔はクルーゼが唯一、全てを許している女 ・その人だった 彼女は数錠の薬を歪む口に運び入れ、口移しで水を流し込む 甘く優しい水と異物が喉を流れていく、 どんな薬なのかも聞かず、その副作用や自分への影響も省みず、はこうしていつも飲ませる 医者だから…と言ってしまえばそれまでだったが、何も聞かずただ包み込むような優しさにクルーゼはいつの頃からか、それが心地よく感じ癒されると同時に彼女に心を開くようになっていた 太陽のように暖かく、華のように甘い香り、水のように心地よく 苦痛に貫かれた我が身を覆い尽くすの存在がクルーゼを無の眠りへと誘う 「今は何もかも忘れて、ただ眠るのよ…その心を覆い尽くす憎しみも悲しみも怒りも全て忘れて…」 まだ、微かに呻くクルーゼの髪を撫で介抱するその姿は、惜しみない愛を注ぎ包んでいるようにイザークの目に写り、その胸を引き裂いた 「イザーク、ここはもういいから自分の持ち場に戻りなさい。スピットブレイクが発動された今、ここで遊んでる場合じゃないでしょ」 「し、しかし…」 自分がこの場にいても仕方ない事は分かっていたが、医務室でもないこの部屋で軍医とはいえ男と女二人っきりにすることに躊躇いを感じていた それは嫉妬だったのかもしれない クルーゼ隊長とが感じたままの関係だったら、俺の入る余地はない だからといって、諦められるような軽い気持ちでもない なら、どうすれば… 隊長室のドアが閉まると同時に力いっぱい拳に嫉妬に似た感情を乗せを壁にぶちまけ、その口腔を血の味が覆った の膝の上で抱かれたクルーゼの白い軍服も手袋も汗で濡れていた 薬が利いてきたのか意識は無いようだった ゆっくりと静かにはクルーゼを覆い隠す全てのモノを脱がせ、真新しいシーツで白く艶やかで逞しいその身を包み、露になった素顔に唇をそっと落とした 起きている時のクルーゼは、心の内で憎しみの刃を研ぎ、その復讐心は蒼い炎のように身体から立ち上らせている。 その様は軍医であるディアナの心を、人が生きるという事はそれほどまでに困難で苦しい事なのだろうか?そこから救う術はないのだろうか?と常に苦しませていた 「私は貴方を救えない…そんな気がするのよ、何故かしらね?」 私が1人の人間を救う事が出来たら、私の生きている事は無駄ではなくなる 私が1人の傷心を癒せる事が出来たら、私の生きている事は意味を持つ 確かに父のように軍人として指揮を取り、最小限の犠牲で大きな成果をあげる事ような戦略を立てる才能を伸ばし文官としてザフトに貢献する事を望まれていたが、多くの命を背負う覚悟が私には出来ず逃げた しかし、今クルーゼを前に逃げた道のが楽だったのではないかと感じていた 「どんなに愛を注いでも癒されない。なら、私は……そろそろ覚悟を決めなくちゃね、」 私たちが美しい、愛しいと想うものの本質的な性質は皆似通っている 想像して、何かを美しい、愛しいと感じる時そのものの存在感が増し、輪郭や色がくっきりと鮮やかに輝いて見えるでしょ?他のそれほど魅力的でないものと比べると、それだけが虹のように… 今、私の膝の上でただ眠るだけの貴方の素顔は無垢な子供のように美しい この美しさは私だけが知る愛しい顔 「覚悟を決めたその時は素直に私を受け入れてよね。ラウ・ル・クルーゼ」 ******************************************************************************** 御題提供:‡decadence‡痛切御題[永劫の鎖10]より の過去が少し垣間見れましたか? イザークは今後どうするんでしょうかね? 実際、クルーゼvsイザークが本気でを取り合ったら、クルーゼのことだから危険な任務、ここらあたりだとサイクロプス起動を効果的に利用してxxxxxx 怖い怖い… イザークよりも圧倒的にクルーゼだけは敵に回したくないですね バルトフェルドの声優が置鮎龍太郎だから好きよぉー♪ |